【参考】はじめて年金相談に行く人へ (公開)
〜初めて年金事務所(=旧称:社会保険事務所)へ年金相談に行くという人の為に、わかりやすく対話形式で解説しています。〜
S男:ちょっと、今から年金相談しに、駅のほうの年金事務所に行ってくるよ。
R子:あら、勤め先の方の年金事務所じゃなくて大丈夫なんですか?。また 「管轄が違う」とか言われるんじゃないかしら。
S男:あー、そういう管轄って問題があるのかぁ。よく判らないから、社会保険労務士の杉山さんに聞いてみよう。やっぱり勤め先の方じゃないとダメなの?
杉山:いいえ、全国どこの年金事務所、街角の年金相談センター(旧称:年金相談センター)に行っても大丈夫ですよ。たとえば埼玉県に住んでいて、東京都内に勤め先のある人の場合なら、埼玉県内の年金事務所でも、東京都内の年金事務所でも、どちらでも便利な方で相談を受けることが出来ます。S男さんも、御自分の住まいの近くにある年金事務所で、相談を受けることが出来ますよ。
S男:そー、だよねぇ。年金事務所が家の近所に在って、良かった。ところで、はじめて年金相談に行くんだけど、何か注意することって有るかな?
杉山:まず、御自分の年金手帳や年金証書、マイナンバーカード(←プラスチックの写真付きカードの事。紙の通知カードでもOKです。)は持ちましたか?
S男:あーもちろん。それはバックに入れてあるよ。妻の分まで、ちゃーんと用意したよ。
R子:まぁー、珍しく用意の良いこと。
杉山:それらは絶対に必要ですから、忘れずに、そして無くさないようにして下さいね。つぎに年金事務所に着いたら、よく銀行の窓口に置いてあるような機械から、紙の番号札を1枚すぐに取って下さい。見本を見せますね。
S男:おぅ、こういうの見たことあるよ。これは44番って、書いてあるな。
杉山:こういう番号札を取ったら、また直ぐに「年金相談受付票」というのを窓口に人からもらって、必要事項を記入して下さい。下のは見本です。実際の受付票はA4サイズの大きさですよ。
(既に予約をしている人の場合は、この用紙の記入が省略可能です。)
←旧タイプ ←新タイプ
S男:なんか、いっぱい書く欄があるねぇ。どこを書きゃ良いんだい?実際は相談じゃなくて、年金をもらう為の請求書を提出しに行くんだけどなぁー。
杉山:相談の場合でも、提出の場合でも、年金事務所に行ったら、その都度、この「年金相談受付票」は必ず書くことになっているんですよ。
(くどいようですが、
既に予約をしている人の場合は、この用紙の記入が省略可能です。)何回も行かなくて済むようにしたいものですね。
S男:毎回、これを書くのかい?そりゃーあ大変だな!
杉山:書く欄は決まっているんですよ。日付と受付番号以外の欄の所をあらかじめ家で書いておいて、それをコピーして持って行くと良いでしょう。
(「年金相談受付票」は、所々適宜変更が加えられています。ここにある「
年金相談受付票」おもて・
うらは、このページをここにアップした時のものです。)
S男:この紙は、裏にも何か書いてあるけど、表のほうだけ書けばいいんだよなぁ?。
杉山:ええ。御自身が相談を受ける場合には、マル1の所は、「本人」の所にチェックし、マル2のおたずねになりたいことの欄に丸を付けて、マル3のところは、まずご自身の年金手帳から基礎年金番号ををみて、頭の所から1つずつ数字を入れていき(
最近は基礎年金番号でなく、通知カードもしくはマイナンバーカードに記載のある4桁・4桁・4桁で合計12ケタの個人番号でもOKになっています。)、名前・フリガナ・住所・電話番号・生年月日・性別・配偶者の有無を記入します。
例えば、御本人の年金の請求をしに年金事務所に行った場合は、下のように記入することになります。
赤い字で書いてあるところを見て下さい。基礎年金番号と国民年金番号・厚生年金番号とは違いますから注意して下さい。
(ただし基礎年金番号と国民年金番号・厚生年金番号が同じ人もいます。)
S男:なるほど44番で受付してもらうと、こう書くわけか。年金コードの「1150」っていうのは、どこから持ってきた数字なんだろう?年金手帳には書いてないよ。
杉山:S男さんの場合は、まだ年金をもらっていないので、年金証書は手元に無いんですが、年金をもらっている人の場合は、下のような画用紙みたいに厚みのある青く長細い年金証書を持っているはずなので、それの右上のほうに書いてある4桁の年金コード番号も
書くことになっているんです。これは見本なので一応書いておきました。S男さんの場合は年金コード欄は空欄で結構ですよ。これを書いたら、機械が自分の番号を呼んでくれるまで、椅子に座って待ちます。
44番だと、「お待たせ致しました。44番のカードをお持ちのお客様、○番の窓口までお越し下さい。」と機械が呼んでくれますよ。
R子:呼んでくれるまで、1時間も2時間も待つような場合は、昼食を食べに行ったりとかして、外出しても構わないですか?
杉山:受付の人に予想待ち時間を聞いて、その時間内に帰ってくれば、外出しても大丈夫ですよ。でも途中でキャンセルする人がいるので、なるべくなら本や雑誌などを読んで外出せずに待っていた方が良いですね。
どうしても待っていられないという場合には、窓口の人に「今日はキャンセルして、今度の○月○日の○時頃に来たいんだけど。」と言って番号札を返し、次回の予約を取っておくといいですよ。
S男:へぇー、予約なんて出来るんだ!
杉山:最近は、予約制になっていますよ。ちなみに日本全国どこの年金事務所もこの電話番号で
予約が出来るんです。メモして下さい。0570−05−4890です。「オーご予約を」って語呂合わせで覚えられる番号になっていますよ。
(注!!完全事前予約制のため、予約が優先で、予約していない方は、後回しとなる所があります。)
S男:もし、それでも忙しくって、奥さんに代わりを頼む場合は、どうすれば良いんだろう?
杉山:そういう場合は、「年金相談受付票」のほかに「委任状」というものが必要です。「委任状」には、決まった様式やサイズが決められていないので、
どんな紙に書いても自由です。下の図を見て下さい。これは年金事務所に備え付けてある「委任状」です。実際のサイズはA4の大きさですよ。
(「委任状」も、
こちらからダウンロード出来ます。)
この場合は、運転免許証や健康保険証など、委任を受けたほうの人の身分を証明できる物も、一緒に持参する必要があります。
R子:主人が忙しくて私が代わりに行く場合は、「委任状」の他に、私の顔写真付きの運転免許証かマイナンバーカードなどを持っていけば言い訳ね。
杉山:そういう事になります。もちろん
社会保険労務士などの、ご家族以外の人に頼むことも可能ですよ。
S男:委任する場合の「委任状」の書き方を教えてもらえないかな?
杉山:では、S男さんが奥さんのR子さんに代わりに年金相談に行ってもらう場合の「年金相談受付票」と「委任状」の例を載せておきますね。
「委任状」だけでなく、届出用紙すべてに言える事ですが、絶対に消えるインクのボールペン(=フリクションボールペン)などは使用せずに、消えないインクの黒色ボールペンで記入して下さいね。
↓下記の見本は記入すべき所を分かり易いように、赤色で表示してます。
S男:よく解りました。