社会保険労務士 杉山千里
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はてなに年金相談室
(年金に関してご不明な点があれば遠慮なくご質問下さい。こちらでお答えします。)

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Q97:年金から天引き(特別徴収)されるものには、どんなものがありますか?



S男:また確定申告の時期がやってくるねぇ。
R子:毎年あなたにお願いしているから、今年もよろしくお願いしますね。
S男:うん、それはいいんだけど、今回は年金からいろんなものが差し引かれているなぁ。昨年のこの時期に社会保険庁から送られて来た源泉徴収票では、年金から天引きされていたのは「所得税」と「介護保険料」だけだったんだけど。
R子:昨年(平成20年)は、4月に後期高齢者医療保険が創設されたから、4月から後期高齢者医療保険の保険料の天引きが開始されて、10月からは国民健康保険料の天引きが開始されたわね。
S男:あれぇー、そう?僕の一番上の兄さんは、10月から後期高齢者医療保険料が天引きされているみたいだよ。
R子:後期高齢者医療保険料は、天引きされる時期が4月からと10月からと、2通りあるのよ。新しく出来た後期高齢者医療保険に移る前に、もともと何の医療制度に加入していたかによって、天引き開始となる時期が、4月からの人と10月からの人に分かれるの。 あなたのお兄さんみたいに、会社を経営していて、協会けんぽ(組合けんぽを含む)から後期高齢者医療保険制度に移る人の場合は、10月からの天引きになるのよね。 あなたの義理のお姉さんは、かなり年金をもらっていて、お兄さんの扶養配偶者になれなかったから、自分で国民健康保険に入っていて保険料を納めていたじゃない?そういう人の場合は、4月から天引きになるのよ。
S男:ふーん、そうか。なるほど。言われる通り、僕たちの国民健康保険料の天引きは平成20年10月から開始されているね。昨年は後期高齢者医療保険と国民健康保険の2つの保険料の天引きが開始されたんだね。
R子:介護保険料の年金からの天引き(=特別徴収が始まったのは、いつだか覚えているかしら?
S男:えーっと、いつだっけ?
R子:65歳以上の人の介護保険料の年金天引きが開始されたのは、2000年(平成12年)10月からよ。今年(平成21年)10月からは住民税の天引きも開始されるわ。
S男:ちょっと待ってくれ!もう、なんか一度に言われて混乱してきたぞ。
R子:じゃあいつも通りに下に、まとめた一覧表を載せてみたから、頭を整理してみて。
S男:税金の方は天引きの対象が老齢年金(もしくは退職共済年金)に限られているけど、保険料のほうは障害年金や遺族年金も天引きの対象となるんだね。
R子:あら、いい所に気がついたわね。特別徴収する年金には優先順位が定められていて、次の順序で特別徴収の対象となる年金が決まるわ。 年金受給額の大小にかかわらず、優先順位の最も高い1種類の年金からしか天引きされないの。 つまり、もしその優先順位の最も高い年金の額が少ない場合は、もらっている年金の総合計額がどんなに高額であっても、天引きされないってことね。 1〜4のそれぞれにおいては(1)老齢・退職年金(2)障害年金(3)遺族年金となっているわ。
1.社会保険庁
2.国家公務員共済組合連合会
3.日本私学振興・共済事業団
4.地方公務員共済組合連合会

社会保険料控除の受け方に注意:
  所得税及び個人住民税の社会保険料控除は、普通徴収と特別徴収のどちらを選ぶかによって、控除できる人が異なります。
  普通徴収(口座振替)により支払った場合は、その口座の名義人に社会保険料控除が適用される。
  特別徴収(年金天引き)により支払った場合は、その年金受給者に社会保険料控除が適用される。

特別徴収
されるもの
いつから始まったか どんな場合に特別徴収となるか 障害年金・遺族年金も特別徴収の対象となるか
65歳以上の人の
介護保険料
2000年10月から その年の4月1日現在において65歳以上で、老齢・退職年金・障害年金・遺族年金( 老齢福祉年金は除く)を年額18万円以上受給されている人が天引きの対象となる。 特別徴収は、市と社会保険庁等の年金支給機関との名簿の照合作業によって行われる。 被保険者が特別徴収か普通徴収かを選択することはできない。災害を受けるなど特別 な事情がない限り、本人の希望や申出によって保険料の納め方を変更することはでき ないことになっている。ただし毎年4月1日時点で、65歳に達していない人や年金を 受給していない人、そして市内に住所を有しない人などは特別徴収の対象とはならず、 普通徴収(納付書による現金払い、もしくは口座振替)となる。
保険料は月割によって計算され、死亡した月や転出した月(末日を除く。)は含まな い計算の仕方をする。
75歳以上の人の
後期高齢者医療の保険料
(国民健康保険から後期高齢者医療制度に移った人の場合)
2008年4月から 下記の条件全てに該当する人は、後期高齢者医療保険料が特別徴収の対象となる。
 (1)年金の年額が18万円以上
 (2)介護保険料と後期高齢者医療保険料の合算額が年金受給額の2分の1を超えない

ただし後期高齢者医療保険料の特別徴収対象者であっても、次の条件いずれかに該当する場合は、 申請により支払い方法を普通徴収(口座振替)に変更することが出来る。
平成21年4月より下記の普通徴収の条件は、必須ではなくなります。自由。
(1)後期高齢者医療制度加入前直近の2年間、国民健康保険または国民健康保険組合の
   保険料を滞納していない
(2)年金収入が180万円未満で、代わりに納付してくれる保険料の滞納が無い配偶者や
   世帯主がいる人が、その配偶者や世帯主の口座から保険料振り替えを希望する場合。
75歳以上の人の
後期高齢者医療の保険料
(社会保険から後期高齢者医療制度に移った人の場合)
2008年10月から
65歳〜74歳の前期高齢者の世帯主の国民健康保険料 2008年10月から 下記4つの条件全てに該当する場合に、特別徴収(徴収期数は年6回)の対象となる。 該当しない場合は、従来どおり普通徴収(納付書または口座振替、徴収期数は年8回)になる。
※公的年金を複数受給している人の場合は、介護保険料が特別徴収されている年金が特別徴収の対象。
 (1)世帯主が国民健康保険加入者
 (2)世帯内の国民健康保険加入者全員が、65歳以上75歳未満
    (本年度中に75歳になる人がいる世帯は除く。)
 (3)世帯主の年金が年額18万円以上
 (4)世帯主の介護保険料と国民健康保険料の合計額が年金支給額の2分の1を超えない

ただし国民健康保険料の特別徴収対象者であっても、次の条件いずれかに該当する場合は、 申請により支払い方法を普通徴収(口座振替)に変更することが出来る。
平成21年4月より下記の普通徴収の条件は、必須ではなくなります。自由。
(1)国民健康保険または国民健康保険組合の保険料を過去2年間滞納していない
(2)年金収入が180万円未満で、代わりに納付してくれる保険料の滞納が無い配偶者や
   世帯主がいる人が、その配偶者や世帯主の口座から保険料振り替えを希望する場合。
65歳以上の人の
住民税
2009年10月から 毎年4月1日現在で65歳になっている人で、その前年中の年金所得にかかる都民税・市民税の 納税義務のある人が、住民税の年金天引き対象者となる。(例えば年金所得のほかに給与所 得がある場合は、その給与所得に係る住民税は、これまで通りに給与から天引きもしくは別 途普通徴収されることになる。
本人の意志による選択は認められず,本人の希望で納める方法を選択することはできない。 ただし介護保険料の特別徴収の対象とならない人、当該年度の住民税の特別徴収税額が老齢 基礎年金等の額を超える人は特別徴収の対象とならない。
また障害年金・遺族年金は課税の対象とならないため、天引きされることは無い。
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平成21年2月号終わり(次回へ続く)

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